意外に知らない?和の「いろ」のはなし。

お着物を選ぶ時、帯や小物とコーディネートを考える時には色合わせが大事になりますよね。

日本独特の色の名前があったり西洋の文化にはない色味や組み合わせがあったり、色について調べてみました。

 

 

「いろ」の名前

まずは名前です。身近なところでは桃色や山吹色、菫色、茶色、若草色など。また海老茶や亜麻色色の名前は数え切れない程ありますね。

このような色はどんな時代の変化から生まれたのか、着物にどんな風に使われてきたのでしょうか。

 

 

飛鳥〜平安の「いろ」

飛鳥や奈良時代には、中国からの影響で華やかで鮮やかな朱や青、緑など多く用いられていました。

ところが平安時代になると一転、貴族文化の発展の中で好みも変化し、中間色が好まれるようになります。

特に十二単等では四季のうつろいの風流を多彩な組み合わせによる「かさねの色目」というもので表現しました。

それには各々名前がつけられ、春の「桜萌黄」や「牡丹」夏の「若菖蒲」や「蝉の羽」秋は「黄朽葉」冬の「雪の下」等その数は200にものぼると言われています。

当時はその色のとり合わせには洗練された感性による流行の最先端だったのでしょうね。

「雪の下」を構成する「紅梅色」と「白」

 

 

鎌倉〜江戸の「いろ」

やがて武家社会の鎌倉や室町時代には更に好みは変化し、深みのある色目が主流になっていきます。

しかしこのような色は誰もが使えるものではなく高貴な人々のみが着用を許された特別なものでした。

今でこそ誰もが好きな色を着ることは自由ですが、江戸時代頃までは様々な晴雨役や厳しい決まりがありきれる色が限られていたのです。

それでも江戸末期になると庶民には藍や茶、鼠色等が許されると多くの色味が生み出され、「江戸時代四十八茶百鼠」といわれる趣のある渋い色が好んで身につけられるようになりました。

粋な江戸の人々は人気の役者や文化人の名前を取って名付けられた〇〇茶や△△鼠等身につけることで時代の空気感を楽しんでいたのでしょう。

今に例えるなら「推しのメンバーカラーを着ちゃおう!」という感じでしょうか。

 

 

そして現代の「いろ」づかい

現代の着物、振袖や訪問着の衿元には長襦袢の半衿と着物の間に重ね衿(伊達衿ともいいます)を入れてコーディネートします。

特に振袖の重ね衿はおしゃれの重要なポイント。

わずか数ミリしか見えない部分ですがここにどんな色や飾りを入れるかで様々な効果を発揮します。

また、お顔の近くにくる色ですので、表情にも大切なところです。

優しい雰囲気にしたい、きりりとした感じにしたい、顔色を綺麗に見せたい、年相応の見せ方をしたい等、自由自在です。その人らしさを最高に引き立てる色選びは楽しいものです。

 

 

まとめ

明治・大正・昭和から平成そして令和。日常着としての着物も今は少し特別なものになってきましたがそれでも日本人には着物が似合います。

洋服にはない美しさ、色合わせの妙。是非もっと多くの人にその良さを再発見してほしいと思っております。

「いわきで着物の色遊びの楽しさ、味わってみませんか。」

 

 

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